2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧
新宿拳銃事件 Xは、強盗殺人の故意でAに対して拳銃を発砲しており、結果発生の具体的危険性が生じていることから、Aに対する強盗殺人未遂罪が成立する。 ※強盗致傷罪も成立するが、法条競合により強盗殺人未遂罪が成立する。 一方、強盗殺人罪の主たる保護法…
ひったくり 確かにXは有形力の行使をしているようには思えるが、強盗罪の成立には犯行を抑圧する程度の暴行脅迫がある必要があり、本件においてXは、犯行を抑圧してはいないため、単に窃盗罪が成立するにとどまる 一方、その後引きずって抵抗できない状態に…
ロー生失格 2限の終了時刻は12:10であり、4限の開始時刻は14:50である。 何ら記述がないところから、Aは2限終了後すぐに教室を去り、Xが持ち去ったのは14限がはじまる少し前であると考えられる。 そうであるとすると、Aが判例刑法各論を置き忘れてからX…
名誉毀損罪 第1審判決の内容に基づいており、「確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるとき」にあたるから、230条の2により名誉毀損罪は成立しない。 ただし、Aの刑事裁判の結果における法的事実の認定が、Xの名誉毀損罪の成立について拘束力をもつのか…
監禁罪の成否 AはXの目的に気がついていないことから、監禁されている認識を欠いている。 したがって、現実的自由説であれば、監禁罪は成立しない。 一方、可能的自由説であれば、車の走行によって移動できる可能性が侵害されているため、監禁罪が成立する。…
交通事故で妊婦に傷害 出産前であれば、いまだ始期が到来していないため、犯罪は成立しない。 他方、帝王切開した場合は全部露出していて始期が到来している。抽象的法定符号説を転用する判例の立場であれば、過失運転致死罪が成立しうる。 嬰兒の放置 まず…
ネット情報を信じて真実だと思って名誉毀損表現をした場合 そもそも、個人の社会的評価を下げる行為を行っていることについての認識はあり、そのような意味での故意はある。 しかし、真実であると信じて名誉毀損行為を行っていることから、不法行為責任を負…
被教唆者が刺す相手を間違えた 被教唆者Yは殺人罪の客観的構成要件に該当する行為を行ったが、客観的事実と認識にズレがあるため故意の存否が問題となる。しかし、およそ「人」を殺害しようとしてBという人を殺害している以上、故意も認められ、殺人罪が成立…
妻を利用した収賄 Yが事情を知らないなどの事情があり、正犯意思がなければ、Xは収賄罪の間接正犯。Yは故意がなく不可罰(身分なきものを利用した間接正犯。)。 Yが事情を知っていて、正犯意思があれば、XとYに収賄罪の共同正犯(60条、197条、Yについて65…