BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

共犯①

拳銃の貸与 拳銃が故障していた以上、幇助犯は成立しないようにも思われる。 しかし、拳銃を貸してもらえなければ犯行に至らなかった場合など、拳銃の貸与が犯罪を促進したような場合には、殺人の幇助犯は成立しうる。 (ただし、本件についてはもともと拳銃…

原因において自由な行為、中止犯

酒癖の悪い人 Xは、既に何度も暴行事件を起こしており、警察からも飲酒を控えるように指導を受けていたことから、自らのその性癖について認識が有り、その性癖がある以上飲酒を抑止又は制限するなど危険の発生を未然に防止するように注意する義務を負ってい…

組合、和解

ゲームソフト開発組合 Aはパソコン及び周辺機器、Bは部屋、Cはプログラミングという労務を、それぞれ出資している。 Cは労務の出資であるが、これも法律上認められる(667条2項)。 それぞれの出資額は、パソコン及び周辺機器については出資時の原価、部屋…

違法性の意識の復習

映倫 映倫管理委員会は、私的団体ではあるが、映画形式による表現の事由を映画業界関係者自らの手によって守るために作られた実質的な規制機関であり、真摯な活動を続けた結果、映画製作者に対して相当な影響力を持った団体となっている。 そうすると、映倫…

委任契約

弁護士に、土地の売買に関する契約締結等を委託した場合 そもそも、土地の売買に関する契約締結は法律行為、であり、納税・登記申請は法律行為ではない。 したがって、前者は委任(643条)となり、後者は準委任(656条)となる。 委任事務を遂行するために受…

請負契約

建物完成後引渡前の滅失 請負人の請負代金請求の可否 請負契約における請負人の義務には、引渡しの義務も含まれていると考えられていることから、引渡しをしていない以上、未だ請負人の債務が履行されたということはできず、代金前払いの特約がないかぎりBは…

過失論の復習

新過失論 制限速度遵守など法令上の注意義務を起訴としつつ具体的な状況に照らし「社会生活上必要な注意」という観点から注意義務(予見義務+結果回避義務)を認定する必要がある。 したがって、園児の飛び出しが予想されるような状況においては、単に規制…

賃貸借3

40年の賃貸借契約の明渡し請求 そもそも、本件は建物所有目的の賃貸借であることから、借地借家法の適用対象となる(借地借家法2条1号)。 本件において、存続期間を40年とする合意がされており、賃貸借契約締結時において、存続期間を40年とする賃貸借契…

錯誤の復習

被害者の近くに人がいた場合 Aに関して Xは殺意をもってAに拳銃を発砲し、意図したとおりAに弾丸が命中して死亡させていることから、Aに対する殺人罪が成立する Bに関して Aの近くにいたBに対して、弾丸が命中する危険性はあったものの、実際には当たってい…

賃貸借2

賃借人が窓ガラスの修繕をしたい場合 賃借人に修繕義務を課す特約がある場合 自分の費用で修繕する 賃借人に修繕義務を課す特約がない場合 ①賃貸人に対して606条の修繕義務を求める ②まず自分の費用で修繕した後、608条1項に基づいて賃貸人に対して必要費償…

責任故意の復習

わいせつ物頒布罪 チャタレー事件(最大判昭32.3.13) ・刑法175条の罪における範囲の成立については問題となる記載の存在の認識とこれを頒布販売することの認識があれば足り、かかる記載のある文書が同条所定の猥褻性を具備するかどうかの認識まで必要とし…

貸借契約

諾成的消費貸借契約? 本件は、諾清的消費貸借契約ではなく、単なる消費貸借契約(578条)であるように思われる(コミットメントライン契約のような要素も見られない)。 そうであるとすれば、要物契約であって、いまだ金銭の交付がされていないことから、借…

同意による違法性阻却に関しての復習

ジャイアンツファン(笑) ゲームの妨害をすることは、管理権者の意思に反する立ち入りであって、「阪神甲子園球場」という人が看守する「建造物」に、「侵入」していることから建造物侵入罪の構成要件に該当し、また、そのことについて真正な同意があったと…

正当防衛の必要性・相当性の復習

酔っぱらいにからまれた事案 かなり微妙な事例。 軽微な侵害に対して、あえて過大な行為を認識して行っており、防衛の意思を否定するという議論を導くのはひっかけか。 ホームに転落させることまでは意図していなかった以上、酔男にからまれる中で、そこから…