BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

接見交通

最判平11.3.24 憲法34条前段 規定の文言からすると、単に被疑者が弁護人を専任することを官憲が妨害してはならないということを規定しているようにも思える 最判平11.3.24は、それを超えて、被疑者に対し、弁護人を選任した上で、弁護人に相談し、その助言を…

逮捕に伴う無令状の捜索差押え、強制採尿

最判昭36.6.7 逮捕に伴う捜索差押えが無令状で許される理由を、①人権の保障上各別の弊害がないこと、及び、②操作上の便益にもかなうことがあげられる X宅に証拠物が存在する蓋然性 麻薬という禁制品で、自宅に隠している可能性が高く、X宅に証拠物が存在する…

債務不履行の効果

損害賠償の範囲(特別損害) (1)乙契約に損害賠償額の予定条項を挿入しているため、乙契約の債務不履行となっても100万円の損害で済む。しかし、900万円未満であれば買った方が有利であるため、880万円で買う。 380万円について、損害賠償請求をする (2…

令状による捜索差押え

住人の承諾ありの現場検証 許される。強制処分ではないから。 住人の承諾なしに行うためには、裁判官の発する検証許可状を得て行わなければならない(憲法35条、刑訴218条) 捜索差押え (1)Bの承諾が得られる場合、任意捜査として令状なしで行うこともで…

債務不履行の要件2

遅滞に基づく解除なき損害賠償 催告と解除を行っていた場合 解除を行っている以上、AからBへの請求は認められない。 解除を行っていることから、415条2項3号による填補賠償として、BからAへの請求は認められる 催告のみを行っていた場合 解除をしていない…

債務不履行の要件

不履行態様 12月1日の午前3時にYの配電設備の保安上の懈怠から本件倉庫が焼失した →契約締結時間が分からないが、いずれにしても不能。旧法の旧解釈では、契約締結前に焼失しているならば、契約自体が成立しない 1月1日に、YはXに「絶対におまえにあの倉…

監査役制度の概要、監査役の資格・選任・終任

監査の範囲の制限 非公開会社は、監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めて、制限することはできる(389条)。もっとも、そうした監査役しかいない場合には、2条9号の「監査役設置会社」には当たらないことになる 監査役設置会社 2条9号…

取締役の義務と責任

最判平22.7.15 意思決定過程 ・全般的な経営方針等を協議する期間である経営会議において検討 ・弁護士の意見も聴取 →何ら不合理な点は見当たらない 判断内容 ・任意の合意に基いて株式を買い取ることは、円滑に株式取得を進める方法として合理性がある ・設…

社会観念審査

補助金交付要綱と法律による行政の原理 侵害留保説からすると問題ない。 重要事項留保説からすると、問題がありうる。国民から徴収した財産の使途を定めるという重要事項は法律で定めるべきであるという考え方もありうるからである。 もっとも、補助金の財源…

逮捕・勾留

逮捕状発付の要件 ①逮捕の理由「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(199条1項・2項) ②逮捕の必要(199条2項ただし書) 本件で、逮捕の理由は認められるかもしれないが、逮捕の必要が認められるかは微妙。Vは所在不明となっているものの…

法律による行政の原理

法律による行政の原理と憲法84条の関係 旭川市国民健康保険料事件においては、公法関係において名分なく妥当する法律による行政の原理(国民に対して義務を瑕疵又は権利を制限するには法律の根拠を要するという法原則)を租税について厳格化した形で明文化し…

任意同行と取調べ

被疑者ではない者からの事情聴取 出頭を求め、取り調べる(223条1項)。 拒んだ場合、要件を満たせば第1回公判期日前に、証人尋問を請求することもできる(227条1項) 被疑者からの事情聴取 出頭を求め、取り調べる(198条1項)。 被疑者が出頭を求めら…

債権の効力

履行請求件への拘束 瑕疵担保責任(570条、566条)による解除をしておくべきだった。 解除をしていない以上、現在は支払を拒絶することはできない。 現在、解除をすることができるのかは微妙(既に瑕疵がなくなってしまっているため)。 給付保持力・請求力…