BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

民法3

債権譲渡

債権者代位権・債権執行・債権譲渡の比較 ・Bが無資力の場合には債権者代位権を使える。もちろん債権執行もできる(転付命令は略)。この場合、あえて譲渡を受けなくても、債権者代位権でCに対して請求できるため、必ずしも応じる必要はない。なぜならば、譲…

詐害行為取消権

二重譲渡と詐害行為取消権 最判昭36.7.19は、損害賠償請求権という金銭債権に転化することから、詐害行為取消しを認める。 もっとも、特定物債権のままで詐害行為取消し後に改めて履行請求できるとすると、対抗要件制度の趣旨に反することになるから、それは…

金銭債権からの債権回収

代位訴訟と取立訴訟の得失 前回の参照 債権者代位権の要件 ・被保全債権が金銭債権(423条1項本文) ・被保全債権の履行期の到来(423条2項) ・債務者が無資力であること(423条1項本文) ・債務者が権利を行使していないこと ・行使される権利が一身専…

債権回収法総論

和解の提案 飲むべきではない。Yに資力がないのであれば別だが、3万円程度の資力は当然にあるものと考えられる。そういうとき、Yがどのような性格であろうと、最終的に強制執行に及ぶことができるのであるから、和解に応じずとも3万円の回収をすることは可…

弁済・受領遅滞

解除の要件と弁済の提供 まだ買いたい場合 相手が解除の要件を満たさないことを主張する。 具体的には、本件は541条の催告による解除であると考えるが、その要件は、①履行期の徒過、②債務の不履行が違法であること、③催告、④相当期間の経過であるが、このう…

第三者の債権侵害

賃貸借に基づく妨害排除と代位権 (1)不法占拠者に対しては、賃借権に基づく妨害排除請求をすることができる(賃借権の対抗要件を問わず)。 他方、YもAから土地を借り受けている場合は、賃借権にかかる登記(605条)がされている場合に限り、妨害排除請求…

債務不履行の効果

損害賠償の範囲(特別損害) (1)乙契約に損害賠償額の予定条項を挿入しているため、乙契約の債務不履行となっても100万円の損害で済む。しかし、900万円未満であれば買った方が有利であるため、880万円で買う。 380万円について、損害賠償請求をする (2…

債務不履行の要件2

遅滞に基づく解除なき損害賠償 催告と解除を行っていた場合 解除を行っている以上、AからBへの請求は認められない。 解除を行っていることから、415条2項3号による填補賠償として、BからAへの請求は認められる 催告のみを行っていた場合 解除をしていない…

債務不履行の要件

不履行態様 12月1日の午前3時にYの配電設備の保安上の懈怠から本件倉庫が焼失した →契約締結時間が分からないが、いずれにしても不能。旧法の旧解釈では、契約締結前に焼失しているならば、契約自体が成立しない 1月1日に、YはXに「絶対におまえにあの倉…

債権の効力

履行請求件への拘束 瑕疵担保責任(570条、566条)による解除をしておくべきだった。 解除をしていない以上、現在は支払を拒絶することはできない。 現在、解除をすることができるのかは微妙(既に瑕疵がなくなってしまっているため)。 給付保持力・請求力…

債務の種類

割引現在価値と法定利率 逸失利益の割引現在価値について、高率の法定利率によって計算すると、逸失利益の算定が少なくなる。なぜならば、割引現在価値は、 (将来のある年の発生金額)÷(1+(法定利率))^(現在から当該年までの年数) となるからである。…

債権総論のはじまり

境界線の間違い C→A ・所有権に基づく妨害排除請求 ・不当利得返還請求(703条)、不法行為に基づく損害賠償請求(709条) ・果実がなく、また、善意と思われることから、190条の請求はできない A→B ・はみ出した部分についても、他人物売買として有効(560…