法律上の主張
所有権に基づく妨害排除請求としての所有権移転登記抹消登記手続請求
適用か類推適用か
類推適用。通謀虚偽表示があったわけではない
平成14年以前の判例
意思外形対応型なら94条2項類推適用、意思外形非対応型なら、真の権利者保護のために94条2項のみだけでなく110条の法意から善意無過失まで第三者に求める
→平成14年以降
・不実の外形を真正権利者が自ら作り出し、存続させていた場合→94条2項類推適用
・真正権利者が承認した不実の外形をもとにして他人が別の外形を作り出し(この点が通謀虚偽表示に匹敵)、この外形を第三者が無過失で信じた場合→94条2項・110条法意併用型
・帰責性の程度が、自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同士しうるほど重い→94条2項・110条類推適用
本件の異なる点
意思と外形は対応している。しかし、自ら不実の外形を作り出したわけではない。
本件につき適切な最高裁裁判例
平成15年。白紙委任のもの。原告勝訴している
判例の考え方
平成18年判例からすると、原告が勝訴しているのはおかしい感じもする。
しかし、平成15年判例は、対外的取引を予定してのものではなく、委任状交付後すぐに(数カ月後に)悪用されており、平成18年判例は、委任に関連して書類を与えており、数年後のものであるから帰責性が大きいと判断できる。
本件も、平成22年12月28日に渡し、3ヶ月後の平成23年2月21日に悪用されている。また、本件では期限を切っており、帰責性が小さい(漫然と渡したものではない)という評価もできる